遊々亭攻略ブログ
遊戯王 OCG 遊々亭Blogです。
遊々亭一押しのプレイヤーさん達による攻略情報やゲームに関する様々な情報、担当のおすすめなど、遊戯王 OCGに関する情報を配信していきます。 Twitterでも情報配信中です!
posted 2025.10.03
Byにだいめ

ついに上陸!?ミツルギデッキ紹介
今回は WORLD PREMIERE PACK 2025の新規テーマのミツルギのデッキを紹介します。海外で先行登場したテーマで大会で活躍できるほどの強さを持つと言われていましたが、はたして日本では活躍できるのか!?
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新規カード紹介
巳剣之尊 麁正
(1)は召喚・特殊召喚時にデッキからミツルギモンスターを手札に加えます。よくある効果ですがリリースされたときも使えるのがこのテーマの重要なところですね。(2)は他の爬虫類が戦闘効果で破壊されるとき代わりにこのカードを身代わりにできます。
巳剣之尊 佐士
(1)は召喚・特殊召喚時そしてリリースされたときにデッキからミツルギ魔法罠を手札に加えます。儀式魔法をサーチすることが多いでしょうか。(2)は<巳剣之尊 麁正>と同じ効果ですね。
巳剣之尊 草那藝
(1)は召喚・特殊召喚時そしてリリースされたときに墓地・除外状態からミツルギカードを手札に加えます。(2)は<巳剣之尊 麁正>と<巳剣之尊 佐士>と同じ効果です。字レアのカードですがシークレットレアもあります。
天羽々斬之巳剣
(1)は手札から見せるだけでデッキからミツルギモンスターを特殊召喚してリリースします。ミツルギの下級モンスターはリリースされても効果発動できますからね。この効果はデュエル中に1度しか使用できないので注意ですよ!(2)は相手モンスターの攻撃力を全て800下げます。<天羽々斬之巳剣>の攻撃力は2400ですから3200まで戦闘破壊できますね。
(3)はどこからでもリリースされるとデッキから<天羽々斬之巳剣>以外のミツルギカードを手札に加えて自身を特殊召喚します。正規召喚してないと特殊召喚できないので注意が必要ですね。
天叢雲之巳剣
(1)は特殊召喚時に相手モンスターをすべて破壊します。儀式召喚ではなく特殊召喚でいいので強いです。(2)は相手が効果を発動したら相手は手札を捨てさせるか効果を無効にします。だいたい相手は捨てる方を選びそうですが1枚リソースを削れるだけ偉いですね。
(3)は<天羽々斬之巳剣>と同じですが、この効果で自身を特殊召喚して(1)に繋がるので強力ですね。
布都御魂之巳剣
(1)は相手がモンスターを特殊召喚すると墓地から爬虫類族を特殊召喚できます。しかもこの効果名称ターン1がありません。一応同一チェーン上では1度しか発動できませんがね。<布都御魂之巳剣>が出せない以外は特に制限とかないので一度正規召喚した儀式ミツルギも出せます。(2)は<天羽々斬之巳剣>と<天叢雲之巳剣>と同じです。
巳剣降臨
二つの効果から1つを選択して発動します。それぞれ1ターンに1度使用できます。1つ目は手札と場の爬虫類族をリリースしてデッキから爬虫類の儀式モンスターを出します。
もう1つは手札・デッキ・フィールドの爬虫類族モンスターを2体までリリースして手札から爬虫類族の儀式モンスターを出します。
両方デッキのカードを使うことが出来るのが非常に強力ですね。
巳剣勧請
こちらも2つの効果から1つを発動しますが、手札か場の爬虫類をリリースして発動でき、その場合2つとも効果を使うことが出来ます。1つはデッキからミツルギモンスターを手札に加えます。もう1つは800ダメージを受けた後、手札か墓地からミツルギモンスターを特殊召喚できます。
速攻魔法なので場に出した<巳剣之尊 麁正>などが<無限泡影>などで対象に撮られたときに発動してリリースすれば<巳剣之尊 麁正>の効果を無効にされずに済みますね。
巳剣之神鏡
(1)は儀式召喚する効果ですが墓地の儀式モンスターを出すことが出来ます。(2)は儀式ミツルギがリリースされるとデッキに戻せます。<儀式の下準備>をとても意識してそうですね
巳剣之勾玉
こちらも2つの効果から選択します。1つは自分の爬虫類をリリースして相手のカードを破壊できます。
もう1つは自分の場のモンスターをリリースして手札からミツルギ儀式を出せます。
速攻魔法なので相手ターンに妨害として使うことが出来るのがいいですね
巳剣大祓
(1)は相手が効果を使ったら自分のレベル5以上の爬虫類をリリースして無効にして破壊します。こんな効果しといてカウンター罠ではないです。(2)は墓地から除外して墓地の爬虫類を特殊召喚して別の自分のモンスターをリリースします。ミツルギ以外でも使えそうですね。
簡単な展開例紹介
<巳剣之尊 麁正>を召喚して(1)でデッキから<天羽々斬之巳剣>を手札に加えます。<天羽々斬之巳剣>の(1)でデッキから<巳剣之尊 佐士>を特殊召喚してリリースします。
リリースされた<巳剣之尊 佐士>の(1)でデッキから<巳剣降臨>加えて発動します。
デッキの<巳剣之尊 草那藝>と<夜刀蛇巳>リリースして手札から<天羽々斬之巳剣>を出します。
リリースされた<巳剣之尊 草那藝>の(1)で墓地の<巳剣降臨>を手札に戻し墓地の<夜刀蛇巳>の(1)効果で自身を特殊召喚します。
<巳剣之尊 麁正>と<夜刀蛇巳>を素材にして<キングレムリン>をx召喚します。
<キングレムリン>(1)でデッキから<天叢雲之巳剣>を手札に加えます。
<巳剣降臨>を発動して手札の<天叢雲之巳剣>をリリースしてデッキから<布都御魂之巳剣>を出します。
リリースされた<天叢雲之巳剣>の(3)でデッキから<巳剣之神鏡>を手札に加えます。
巳剣之神鏡を発動して(1)で場のミタマをリリースして墓地の<天叢雲之巳剣>を出します。
リリースされたミタマの(3)で<巳剣勧請>を手札に加えながら出します。
<巳剣勧請>を<天羽々斬之巳剣>をリリースしながら出します。
デッキから次のターンに備えて<巳剣之尊 麁正>を加えておき、墓地から<巳剣之尊 草那藝>を出します、リリースされた<天羽々斬之巳剣>の(3)でデッキから<巳剣大祓>を手札に加えながら特殊召喚します。
後はリンク召喚していきます。<巳剣之尊 草那藝>と<キングレムリン>を素材に<I:Pマスカレーナ>を出し、<天羽々斬之巳剣>と<天叢雲之巳剣>を素材に<大儺主水>を出します。後は<巳剣大祓>をセットしてターン終了です。
相手ターンには好きなタイミングで<大儺主水>(2)で自身をリリースして墓地の<天叢雲之巳剣>を出します。
これで特殊召喚された<天叢雲之巳剣>の(1)で相手モンスターをすべて破壊できます。また(2)で妨害も出来ます。
さらに<巳剣大祓>で相手のカードなんでも無効にできるのと<布都御魂之巳剣>の(1)で墓地の爬虫類を蘇生できます。余ったモンスターで<I:Pマスカレーナ>の効果で<S:Pリトルナイト>を出せばさらに妨害できますね。
デッキレシピ
ミツルギ
プレイヤー:にだいめ
モンスター
計21枚
エクストラデッキ
計15枚
せっかくなのでレシピを作ってみました。
<天羽々斬之巳剣>がパックから出にくいのか、かなり値段が高いと言われていますね。高い分デッキも強力ですね。
終わりに
いかがだったでしょうか。蛇使いと言えばアニメGXでプロフェッサーコブラが登場していましたね。これだけ強いヘビテーマだとコブラもニッコリですねw以上ありがとうございました。
posted 2025.10.01
Byメカヲタ

リミットレギュレーション(2025年10月)
今回は毎度恒例のレギュレーション改訂所感記事になります。
お付き合い下さい。
今回の改訂は、定期的に訪れる「環境全般のデフレ」のような改訂で、環境トップ層がある程度打撃を受けつつも多少の立ち位置は有し、新弾が出るまではそれほど様変わりしないものの確実にデッキパワーが下がるようなものとなっています。
ただ直後の新弾で「巳剣」が登場することもあり、それを踏まえると環境はかなり動きそうです。
それでは見ていきましょう。
禁止カード
まずは禁止カード。<魔獣の懐柔><ヴェルズ・ウロボロス>の2枚が一発禁止となりました。 <魔獣の懐柔>は【ヤミー】における最強カードともいうべきパワーカードで、先攻盤面では制約から多少弱くはなるもののありとあらゆる誘発受けの面で完璧に近い性能を持ち、後攻であればそれ1枚でゲームが決まるほどの能力を有していました(盤面自体も相手ターンに完成させることができます)。
古いカードと発動条件からターン1がなく、<灰流うらら>に対して2枚目を発動したり、1枚目の盤面に除去を切らせて2枚目を打つなど複数あることがしっかりと有意に働いており、制限を踏むかなとおもっていたところ一発の禁止化はかなり思い切ったなという印象です。
このカードの存在から比較的コストの重い<禁じられた一滴>のようなカードも打ちやすくなっていたため、規制は妥当かなとは思います。
ただこれがないと展開がかなり重い【メルフィー】のようなデッキもあるため、何かしら獣族への救済はほしいところですが果たしてどうなることやら。
<ヴェルズ・ウロボロス>は【オノマトライゼオル】で連続ハンデスするために運用されており、ギミック上で誘発受けを作りながら3ハンデスできるものでした。
それも出し方が2枚目以降は本来のX召喚ではなく、<ライゼオル・プラグイン><蝕の双仔>による蘇生でいわゆる"ズルをした"出し方をしていたため、そういう面でも不健全だと判断されたのでしょう。 その他のデッキで<氷結界の龍 トリシューラ>や<XX-セイバー ガトムズ>などを用いた5ハンデス展開は存在しますが、いずれも構築上それに特化する必要があったり誘発受けで明確な弱点があったりと、「それが通るなら最終盤面が何でも勝っている」ようなもので、【オノマトライゼオル】ほど実用的かつ主流になるようなものではありませんでした。
あまりに誘発受けの強いテーマが刷られつつ強力な捲り札も充実してきた中で、それらの芽を一切摘んでしまう実用的なハンデスはラインを超えたと判断されたのでしょう。
ハンデスがなくとも【オノマトライゼオル】自体は依然強力なデッキであり、一定数使用者は残りそうですね。
制限カード
続いて制限カード。規制組が<虹光の宣告者><VS ラゼン><K9-66a号 ヨクル><計都星辰>の4枚、緩和が<エクリプス・ワイバーン>です。
規制組は環境で顔を見ない日はないというほどシェアの多いデッキで採用されていたカード群で、特に前者3枚に関しては制限化は納得といえるもの。
<虹光の宣告者>はよくある万能無効系のシンクロですが【ヤミー】では非常に出しやすく、また1ターン目で出しつつ相手の攻勢を受け、相手ターン中に2枚目を出して完全な受けの態勢を作れる非常に優秀なカードでした。
このカードの存在から盤面を弱めることなく<原始生命態ニビル>を受けることができ、そういった面でも強力であったといえます。
ステータス自体は弱いものの【ヤミー】相手にバトルを消費して取ろうにも<クッキィ★ヤミーウェイ>などで対応が可能で、ただバトルを失い盤面も返せずといった事態がよく発生し、先般禁止となった<召命の神弓-アポロウーサ>を擁する【M∀LICE】に近しい存在であるといえます。
一発禁止でもおかしくないレベルのカードではありましたが、今回制限となり、その影響自体は確実にあるため今後のこのカードを使用するデッキの動向次第ではありますね。
変わったところでは、【メガリス】のような儀式系のデッキが<ゲール・ドグラ>1枚から儀式系カードを2枚サーチするムーブで使用されており、2枚が1枚になる影響としてはこちらのほうが大きいかもしれません。
<VS ラゼン><K9-66a号 ヨクル>はいずれも【K9VS】の重要カードであり、後者はその他の【K9】系列のデッキでも3枚採用のカードでした。
シンプルに初動が減るという意味でも規制の意味はありますが、前者は特に<VS ホーリー・スー>と同時に引いてしまうとデッキから出せなくなり、さらにサーチが使えないことで<VS 龍帝ヴァリウス>にも繋がらないと引き方でかなりの弱体化となることに。
<K9-66a号 ヨクル>は<カオティック・エレメンツ>の枚数などで補完はできますが、【K9VS】においてはモンスターであることが重要で、そういった面でもこのデッキに対する的確な弱体化といえます。
ただ全体としてのデッキパワーはそこそこ有しており、空いた枠をほかのメタカードで埋めることも可能なため中堅以上のデッキとしては君臨するものと思われます。
【巳剣】登場後の環境に注目したいですね。
<計都星辰>は少し前の環境で暴れた【ドラゴンテイル】のカードですが、環境的にみれば少し落ち目ともいえるこのデッキに対して若干過剰な規制なようにも思えます。
特にこのカード自体は先攻よりは後攻での捲り性能に影響するカードで、「デッキパワーに変わりはないが先攻番長」にしてしまうような改訂と思いました。
中堅の中でもひとつ抜けた立ち位置ではあり、似たような位置にある【ライゼオル】が規制を受けていることを考えるとある程度メスが入るのは仕方ないですが、別のところのほうがよかったのではないかと思う次第です。
緩和では往年の【ドラゴン族】で使用されていた<エクリプス・ワイバーン>が制限カードに。
今でも「通るなら」強いドラゴン族の展開はあり、これ1枚で劇的に変わるとはいえないものの展開の幅が広がるのは嬉しいところ。
【ドラゴンリンク】が一定の使用者がいる人気デッキなこともあり、早速多数の展開ルートが開発されています。
今後環境に食い込めるかに注目です。
準制限カード
次は準制限カード。規制は<K9-17号 イヅナ><ヤミー★スナッチー><燦幻開門>の3枚、緩和は<アストログラフ・マジシャン><深淵の獣バルドレイク><EMERGENCY!><六世壊=パライゾス>の4枚です。 <K9-17号 イヅナ>は汎用手札誘発としても運用できるモンスターで、【K9】系のデッキのみならずある程度EXデッキを融通できるデッキならかなりの採用率を持つカードでした。
誘発としてみた時に、枠を食うとはいえ<N・As・H Knight>や<超念銃士ヴァロン>のような優秀なモンスターを使い分けられ、かつ自身の打点自体もそこそこあるため戦闘面での参加も可能とかなりの性能を持つカードであり、規制は必至だったかなと思います。 <ヤミー★スナッチー>は【ヤミー】におけるキーカードで、完全に再起不能な規制というほどではないもののかなり影響があり、先攻展開ではあまり支障はないものの誘発受けや後手性能に影響がある規制です。 <燦幻開門>は【天盃龍】の初動兼貫通札でもある目下最強カードではありますが、【天盃龍】自体が環境シーンで頻繁に見かけるほどでもない一種の地雷デッキ的立ち位置であったため、今更感のある規制に感じます。
シングルでの強さから「YCSJ」を見据えつつの規制なのでしょうか?
緩和組で注目したいのは<EMERGENCY!>で、このカードが2枚あることで【R-ACE】のデッキパワーが一段階上がるため、環境シーンでも見かけるようになる可能性があります。
最近の動向的にはこのデッキにも近く新規が実装される見込みで、それに連動しての緩和ということも考えられます。
<六世壊=パライゾス>に関してはいくら緩和されたところで【クシャトリラ】では1枚初動になりえず、出張させるにもこのカードは1枚なことが多く、まあ言うことはないでしょう。 <深淵の獣バルドレイク>はようやくといったところですね。
今回はなりませんでしたが、個人的には<深淵の獣ドルイドヴルム>の緩和を待ちたいですね。
無制限カード
最後に規制解除組は、<流離のグリフォンライダー><スプライト・ジェット><トロイメア・ゴブリン><緊急テレポート><マスク・チェンジ・セカンド>の5枚。概ね言うところのない緩和ですが、【スプライト】か<スプライト・ブルー>には触らず<スプライト・ジェット>のみとなっています。
<緊急テレポート>は【サイキック族】には嬉しい緩和ですが、それ以外では出張として使用されることも少なくなっており、妥当なレベルかなと思います。
まとめ
以上の改訂をみて、今後流行りそうなデッキとしては【巳剣ライゼオル】などの【巳剣】系統のデッキが挙げられます。 「巳剣」自体はかなりパワーの高いカード群で、登場直後ということもあって一切の規制がないため環境層の中では一歩抜きん出た存在になっています。【ライゼオル】との混成ではお互いのデッキパワーが高く、かつ<神影金龍ドラッグルクシオン>からの<時空の七皇>、および<キングレムリン>から相互にアクセスできることもあって動きを補完しあい、かつそれぞれが先後どちらも打開力があるためかなり完成度の高いデッキになっています。 <ドロール&ロックバード>の受けなど混成とそうでない構築とで弱点の差はあるものの、総じてパワー自体は【ライゼオル】型のほうが高い印象があります。
その他のデッキとしては前環境に引き続き【ヤミー】、中堅デッキ枠としての【K9VS】、【月光】、【オノマトライゼオル】、【M∀LICE】あたりが並びそう。 全体で見ればデフレした前環境に【巳剣】が立ち並ぶかたちですね。
あまり全貌としては変わらないものの少しずつ変化のある環境であり、レギュラーパックの新弾なども控えているため移り変わりが楽しみな環境でもあります。
前期でハイパワーなカードであった<禁じられた一滴>を都合よく打てるデッキも少なくなるため理不尽要素は幾分か減りそうです。
前期の煮詰まってしまった環境からは動きがありそうなので、今後の動向を見極めつつデッキを構築していきたいところです。
以上で改訂所感記事を終わります。
ありがとうございました。
posted 2025.09.30
Byメカヲタ

【昆虫GS】デッキ紹介
今回は「WORLD PREMIUM PACK 2025」で登場の昆虫族関連のカードを採用した、【B・F】または【昆虫GS】のデッキを紹介します。
元々「B・F」は2015年の「デュエリストパック 革命の決闘者編」で登場したカード群で、最近では「RAGE OF THE ABYSS」でも強化を受けていました。
新たに登場した「無死虫団」のカード群により展開の幅が広がり強力なデッキになったため、今回はそれをご紹介します。
新規カード紹介
まずは新規の「無死虫団」のカード2枚について解説から。元々は<甲虫装甲騎士>のフレーバーテキストに存在した「昆虫族のエリート」という設定の集団でしたが、長い時を経てついにその団員が明らかになることとなりました。
無死虫団の補給兵
レベル5の昆虫族モンスター。昆虫族を常に支え続けるモンスターである<共振虫>・<応戦するG>のサーチに対応しているため、アクセスは容易です。
「昆虫族モンスターの効果が発動した時」にチェーンする自己特殊召喚効果を持っており、昆虫族デッキであれば特殊召喚はかなり容易。
トリガーは相手の効果でもいいばかりか、相手の効果へのチェーンであればそれを無効にすることが可能で、汎用的な昆虫族である<増殖するG>にカウンターすることで無効にしながら特殊召喚できる破格の性能を有します。
発動後は昆虫族しか特殊召喚できませんが、元々種族デッキで制約も重なることが多いため気にならないでしょう。
起動効果で昆虫族の融合召喚も可能で、モンスターとしてサーチしながら融合するギミックを手に入れたことでそちらでの展開にも繋ぎやすくなりました。
融合先の候補としては<騎甲虫クルーエル・サターン>が有用で、これまでは融合手段が<騎甲虫隊上陸態勢>に<騎甲虫スティンギー・ランス>で触るしかなく、先攻1ターン目で確実に展開を通すには、そちらを<大騎甲虫インヴィンシブル・アトラス>でリクルートする必要がありました。
そうまでしてリクルートしてサーチするぐらいならそもそも<騎甲虫スティンギー・ランス>で罠をサーチすればよかったのですが、この<無死虫団の補給兵>の登場によりギミック上で融合を噛ませやすくなり、<騎甲虫クルーエル・サターン>の特殊召喚効果でリンク値を1増やしつつ<大騎甲虫インヴィンシブル・アトラス>の効果を温存でき、<騎甲虫スカウト・バギー>を介したランク3を立てやすくなっています。
新たな妨害を得たというよりはこれまで上振れだった展開をルート上で絡めやすくなったといえ、デッキとしての質を向上させています。
<騎甲虫クルーエル・サターン>で<騎甲虫隊上陸態勢>をサーチすれば連続融合が可能で、特殊召喚効果を使って展開中に除外した<騎甲虫スティンギー・ランス>を特殊召喚すれば罠を構えることも可能。
基本的にはこの展開をルートに組み込むことになります。
無死虫団の重騎兵
レベル7の融合モンスターで、融合素材は「レベル5以上の昆虫族モンスター+昆虫族モンスター」。先述の<無死虫団の補給兵>で簡単に出すことができます。
効果破壊耐性があるため多少の場持ちの良さは有しており、打点も標準的な2500を持つのである程度維持はしやすいです。
妨害としてフリーチェーンの除去を持っており、これまで昆虫族の欠点であった能動的な除去妨害を獲得することができました。
自分のモンスターが昆虫族のみの場合という条件はあるものの、完全フリーチェーンで自分の昆虫族とフィールドのモンスターを除外でき、対象を取るとはいえかなり優秀な妨害。
モンスターにしか触れないものの、自分の<B・F-革命のグラン・パルチザン>を除外することであちらの帰還破壊に繋げることができ、この手の効果持ちが苦手とする「大量の罠を伏せてエンド」という状況も打開することが可能です。
あちらも効果破壊耐性を持つため全体除去に対して妨害を残すことができ、非常に優秀なカード群といえます。
デッキ紹介
今回はこれらのカードを採用した【昆虫族】系統のデッキで、【B・F】に寄った構築のものを紹介します。「B・F」は「RAGE OF THE ABYSS」にて<黒い旋風>および<BF-毒風のシムーン>と似た効果を持つモンスターが登場しており、それを初動として連続サーチしながら盤面を形成するテーマになっています。
元々持つ種族での横の繋がりを最大限活用しつつ「騎甲虫」などの複数テーマ混成により妨害を構えていくことが可能です。
構築はこちら。
B・F
プレイヤー:メカヲタ
モンスター
計30枚
エクストラデッキ
計15枚
細かいカードの解説は割愛しますが、基本的には<B・F-猛撃のレイピア>or<B・F-毒針のニードル>+コストを初動にして動くことになります。
場合によっては組み合わせで初動となることもあり、多角的な展開を有します。
1枚初動は<B・F-猛撃のレイピア><B・F-毒針のニードル>そして<武装蜂起>から。
どれから入っても最初のアクションが違うだけで早期に合流します。
展開例紹介
<B・F-猛撃のレイピア>から- <B・F-猛撃のレイピア>で昆虫族を捨て、<B・F・W>を置きつつ特殊召喚、<B・F-毒針のニードル>をサーチ
- <B・F-毒針のニードル>を召喚して<B・F-必中のピン><B・F-早撃ちのアルバレスト>をそれぞれサーチ
- <B・F-必中のピン>を特殊召喚して<B・F・W>でチューナー化し<B・F-神事弓のサチ>をS召喚
- <B・F-神事弓のサチ>で<B・F・W>をバウンスして召喚権を増やし、再度<B・F・W>を発動
- <魔螂ディアボランティス>をS召喚して<ゴキポール>を墓地へ送り、<共振虫>をサーチ
- <B・F-早撃ちのアルバレスト>を召喚して<B・F-必中のピン>を蘇生し、<B・F-連撃のツインボウ>をサーチ
- <魔螂ディアボランティス>を自身の効果でチューナー化し、<B・F-革命のグラン・パルチザン>をS召喚して<B・F-早撃ちのアルバレスト>(2枚目)をサーチ
- <甲虫装機 ピコファレーナ>をL召喚して手札を捨て、もう1体のモンスターに<共振虫>を装備
- <甲虫装機 ピコファレーナ>の効果で<ゴキポール><B・F-早撃ちのアルバレスト><B・F-連撃のツインボウ>を戻して1ドロー
- 2体で<騎甲虫アームド・ホーン>をL召喚し、墓地へ送られた<共振虫>で<無死虫団の補給兵>をサーチ
- <騎甲虫アームド・ホーン>の効果を発動し、チェーンして<無死虫団の補給兵>を特殊召喚、<B・F-早撃ちのアルバレスト>を召喚して<B・F-必中のピン>を蘇生
- <無死虫団の補給兵>の効果を発動し、<騎甲虫アームド・ホーン>と手札の<共振虫>で<騎甲虫クルーエル・サターン>を融合召喚して<騎甲虫隊上陸態勢>をサーチ
- <共振虫><共振虫><B・F-猛撃のレイピア>を除外して<騎甲虫アームド・ホーン>を自己蘇生し、<騎甲虫スティンギー・ランス><スケイルモース>を墓地へ送る
- <騎甲虫アームド・ホーン>と<無死虫団の補給兵>で<蕾禍ノ御拝神主>をL召喚し、<騎甲虫スティンギー・ランス><B・F-革命のグラン・パルチザン>を除外して<蕾禍大輪首狩舞>をサーチ
- <B・F-革命のグラン・パルチザン>を帰還しつつ、<騎甲虫クルーエル・サターン>の効果で除外した<騎甲虫スティンギー・ランス>を特殊召喚し、<騎甲虫空殺舞隊>をサーチ
- <B・F-早撃ちのアルバレスト>と<蕾禍ノ御拝神主>で<大騎甲虫インヴィンシブル・アトラス>をL召喚し、<騎甲虫クルーエル・サターン>をリリースして<騎甲虫スカウト・バギー>を特殊召喚、効果で同名をリクルート
- <No.3 地獄蝉王ローカスト・キング>を攻撃表示でX召喚し、<B・F-必中のピン>のバーン効果を発動、それを無効にして<No.3 地獄蝉王ローカスト・キング>の表示形式を変更し墓地から<スケイルモース>を特殊召喚
- <騎甲虫隊上陸態勢>を発動して<騎甲虫スティンギー・ランス>と<B・F-必中のピン>で<無死虫団の重騎兵>を融合召喚
- <スケイルモース>による特殊召喚制限
- <No.3 地獄蝉王ローカスト・キング>によるモンスター効果無効
- <無死虫団の重騎兵>によるモンスター除外
- <蕾禍大輪首狩舞>による1破壊
- <騎甲虫空殺舞隊>によるモンスター効果無効
仮に盤面すべてが突破されたとしても、ライフさえ残れば墓地の<騎甲虫隊上陸態勢>で除外した<B・F-革命のグラン・パルチザン>が帰還することで大量に破壊しながら高打点を叩き込むことができ、返しへの備えもバッチリ。
構える罠の発動条件となるモンスターも耐性を持っているため、前盤面の除去によりついでに後ろも機能停止する...といった事態は避けやすく、その点も優秀です。
魔法・罠への無効はないためそういったカードの連打は少し厳しいですが、それ以外に対しては決まってしまえば無類の強さを誇ります。
1枚初動のうち<武装蜂起>から入っていれば<共振虫>を1枚多く墓地へ置けるため、除外時効果により<樹冠の甲帝ベアグラム>等を墓地へ送ることでリンク値を1稼げ、モンスターを温存してリソースとしたり手札消費を減らすことができます。
後攻での捲りは「B・F」による突破力が光ります。
同じ1枚初動から<B・F-革命のグラン・パルチザン>+<B・F-必中のピン>の盤面を作り、墓地の<B・F-猛撃のレイピア>の効果でレベルを下げることで<B・F-決戦のビッグ・バリスタ>をS召喚し、相手の打点を大幅に下げながら大量破壊しつつ<B・F-革命のグラン・パルチザン>が帰還して殴り込みをかけられます。
このムーブには闇属性が絡まないため、サイドチェンジから<聖王の粉砕>や<命王の螺旋>を採用することも可能。
<樹冠の甲帝ベアグラム>の全体破壊もあるため盤面解決自体はかなり容易です。
耐性持ちに対しては<マザー・スパイダー>の採用も考えられますが、表示形式が限定されるなど欠点もあるため環境を読んで採用したいところですね。
<聖王の粉砕>を手札から発動後は<魔螂ディアボランティス><騎甲虫クルーエル・サターン><甲虫装機 ピコファレーナ>の効果を発動できませんが、後攻時は「騎甲虫」ギミックの通りが悪いためサイドチェンジで減らす・抜くことができ、「B・F」の動きを通すための誘発などに枠を充てられます。
<聖王の粉砕>を発動していないなら<魔螂ディアボランティス>の効果を経由できるため、<ゴキポール>から<キラー・ビー>を特殊召喚して相手モンスターを破壊するムーブも可能なため、こちらは覚えておきたいところ。
特にこの効果は相手に意識されていないことが多く、不意に盤面を捲る可能性があります。
まとめ
元々【昆虫族】は横の繋がりが強いものの、耐性面は優秀ながら能動的な妨害に乏しいデッキでした。「騎甲虫」や「B・F」と着々とプールを増やす中でついに全体をデッキとしてまとめることが可能になり、「勝ちに行く」デッキとして昇華しています。
今回の「WPP」連動で今後も「無死虫団」が増える可能性はあるため、これからの昆虫族の行く末に期待ですね。
以上で紹介を終わります。
ありがとうございました!